能登半島地震受け氷見市の施設で高齢者の避難のあり方考える

元日の能登半島地震で県内に津波警報が発表されたのを受け、氷見市の高齢者施設ではお年寄りを避難させた職員たちが当時の状況を振り返りながらよりよい避難のあり方を考えました。

氷見市鞍川にある3階建ての高齢者施設では今回の地震で1階に併設されている病院の患者45人を垂直避難させました。
津波はこの施設に到達することはありませんでしたが、今回の経験をもとによりよい避難のあり方を考えようと、24日、施設や病院の職員16人が集まりました。
この中で、地震が発生した当日に勤務していた職員たちは、別の職員を患者にみたて当時の対応を再現し、車いすの患者は2人がかりで持ち上げたり1人で抱きかかえたりしながら階段を上がりました。
また、寝たきりの患者はベッドのシーツを4人で持ってシーツごと上の階に避難させていました。
このあと話し合いが行われ、当日対応に当たった職員から「限られた人数で多くの患者を運ぶのは体力的に限界がある」とか「より職員が少ない夜に地震が起きたらどのように対応すべきか」などといった意見も出されました。
この施設では、今後、職員から意見を募り避難のあり方を見直すことにしています。
地震発生時に対応した江尻航さんは、「津波警報が出されたときはパニックになりました。よりよい避難のあり方を考えてほかの職員に伝えていきたい」と話していました。
この施設で災害対応を担当する宮島靖之事務長は「経験した職員の意見を聞いてより多くのお年寄りを安全に早く避難させる方法を考え、実践的な計画をつくっていきたい」と話していました。