【ニュースアップ】2024年問題 運送業の現場は…

4月1日からトラックドライバーに時間外労働の上限規制の適用が始まりました。
しかし富山市の運送会社では取引先に適正な運賃や荷待ち時間の解消を求めているものの思うように改善が進まない現状に苦悩しています。

首都圏向けを中心に鋼材や紙パルプを輸送している富山市の運送会社では、大型トラックとトレーラーのドライバー42人を雇用しています。
時間外労働の上限規制が4月からトラックのドライバーにも適用され、この運送会社では労働時間を減らそうと高速道路の使用距離を増やしたり、給与の手取りが減らないように月給を1割引き上げたりしています。
こうした改善に欠かせないのが、運賃の引き上げですが、この運送会社と取引する主な荷主約100社のうち運賃の引き上げに応じたのは2割ほどにとどまり、会社の利益の減少が懸念されるということです。
「大興運輸倉庫」の古木準一社長は「給与を上げた分や、高速道路料金が今後どの程度経営に影響するのか不安です。荷主には適切な運賃を払ってもらえるように根気強く交渉したい」と話していました。
また、トラックドライバーの場合、荷物の積み降ろしの順番を待つ“荷待ち”の時間が長時間労働の大きな要因になっているとされています。
厚生労働省は、“荷待ち”の時間の削減のため、荷物の配送を依頼する企業や受け取る企業への働きかけを強化していますが、規制の適用が始まった4月に入っても“荷待ち”の時間はほとんど解消されていないといいます。
古木社長は、「荷待ちの時間が発生すると長時間労働につながるなどこうした課題を感じてもらえていない。運送業だけでなく荷主や国の絶大な協力がないと働き方改革は達成できない」と話していました。