県産米の品質確保へ 田植えの時期の勤務の配慮求める

猛暑の影響で、去年、県産のコシヒカリの「1等米」の比率が過去最低となる中、JAなどは、県産米の品質を確保するため経済団体に対し5月の田植えの時期に兼業農家が休みを取りやすくするよう配慮を求めました。

5日は、JA富山中央会の堀内弘和農業対策部長らが県商工会議所連合会の大橋豊常任理事と面会し要望書を手渡しました。
要望書では、コシヒカリの苗を植えるのに最も適した時期とされている5月15日ごろに、コメ農家の大半を占める兼業農家が休みを取りやすくするよう配慮を求めています。
とくに去年は、猛暑の影響で、見た目の評価が高い「1等米」の比率が県産のコシヒカリで48%と過去最低になったこともあり、猛暑がピークを過ぎてから穂が出るよう田植えの時期をあわせることが品質の維持に欠かせなくなっているとしています。
JA富山中央会の堀内弘和農業対策部長は、「特に近年は夏の暑さが厳しいので、そうした中でも農家の皆さんには品質の高いコメをつくってほしい」と話していました。
一方、ことしは能登半島地震の影響で田んぼがひび割れたり、農業用水の水路が破損したりして、例年通りのコメ作りができなくなっている地域もあります。
なかでも氷見市では農業用水の水路の被害が1700か所を超えていますが、復旧工事が始まるめどがたっていないこともありJAは、ハトムギなどへの転作を支援したり、コメ作りができない農家の苗をほかの農家に融通したりする取り組みを行っています。