クマとのすみ分け図るなど県がクマ対策強化へ

県内では去年、市街地でクマの出没が相次ぎ死傷者も出たことから、県は来年度、クマとのすみ分けを図るため森林を整備するなど、クマ対策を強化することになりました。

県内では去年、市街地などでクマの出没が急増して9人が襲われ、このうち1人が亡くなりました。
こうした被害を防ごうと、県は来年度、クマ対策を強化することになりました。
具体的には来年度の当初予算案で、クマとのすみ分けをはかるため市町村がクマの出没が多い地域で森林を整備したり、集落に近い里山に電気柵を設置したりする費用を補助する事業に1250万円を盛り込んでいます。
また市町村がパトロールや、クマの食べ物となる柿の実の除去、それにクマ出没の対応訓練を実施する費用への補助金として、800万円を計上しています。
そして、山の中に約100台のカメラを設置してクマの生息状況を調査する事業に1000万円を計上しています。
今後は国と連携して、市街地に出没するクマに発信器をつけて、行動パターンを調査することも検討しているということです。
さらにクマなどの捕獲を担う狩猟免許を持つ人を増やそうと、狩猟体験のイベントの開催やSNSでの動画発信などに300万円を盛り込んでいます。
県自然保護課は「さまざまな対策で県民の安全を守っていきたい。ことしもすでにクマが目撃されているので注意してほしい」と話しています。