「黒部宇奈月キャニオンルート」 県 一般開放10月に延期

ことし6月に一般開放が予定されていた「黒部宇奈月キャニオンルート」について、県は能登半島地震で被災した黒部峡谷鉄道の橋の復旧工事が完了したあとのことし10月1日ごろまで一般開放を延期すると発表しました。

「黒部宇奈月キャニオンルート」は、黒部峡谷鉄道の終点の欅平駅と黒部ダムまでを結ぶ全長およそ18キロの関西電力の工事用路線で、ことし6月30日から観光向けに一般開放される予定でしたが、黒部峡谷鉄道の「鐘釣橋」が能登半島地震による落石で損傷したことから一般開放の時期が見通せなくなっていました。
こうしたなか黒部峡谷鉄道が復旧工事を終えて全線開通できる時期がことし10月1日ごろになるという見通しを7日に示したことから県はキャニオンルートの一般開放も10月1日ごろまで延期すると発表しました。
これに伴って販売を延期していたキャニオンルートの旅行商品については、遅くとも7月上旬から販売を開始するということです。
「キャニオンルート」は北陸新幹線が福井県敦賀市まで延伸することし、県内の新たな観光資源として期待が高まっていましたが延期は観光業界にとって大きな痛手となります。
一方、黒部峡谷鉄道はことしも例年どおり4月20日ごろから営業運転を開始する予定ですが、「鐘釣橋」が復旧するまでは宇奈月駅と猫又駅の間で運行するということです。
新田知事は「一般開放を楽しみにしていた全国の人たちには大変申し訳ない。延期によるダメージを県を挙げてリカバーしていくので宇奈月温泉をはじめ県内の観光旅行業のみなさまにはどうか落胆せずに前を向いてほしい」と話していました。