地震の経験を文字にして残す取り組み 富山市

能登半島地震の発生からまもなく2か月となります。
地震の経験を文字にして残してもらおうという取り組みが富山市で行われています。

地震の記憶が薄れてしまう前に被災の経験を文字にして残してもらおうと「富山市科学博物館」が2月17日から始めました。
博物館の2階には「報告カード」と書かれたA5サイズの紙とペンが置かれ、訪れた人が自由に体験を記せるようになっていて、すでに20人の人が思いを書き連ねて壁に貼っていました。
富山市の一番町に住む人は、「立体駐車場の車が揺れで落下した。食器棚が倒れて中身が散乱した」と当時の揺れの大きさを記していました。
また、富山湾に近い射水市の新湊地区の人は「隣の家の壁が剥がれ、津波で船が沈んだ」とつづっていました。
取材中に来館した富山市の62歳の男性もペンを取っていました。
男性は震度6強を観測した石川県七尾市が実家で「古い蔵が崩れそうになっている。直そうとしても業者がおらず困っている」と、つづりました。
博物館では寄せられた声を場所ごとに地図に落とし込んで展示したいとしています。
富山市科学博物館の増渕佳子さんは「情報が集まることで土地の特徴なども見えてくると思う。地震で経験したことをお寄せいただきたい」と話していました。