富山市に2次避難の重量挙げ高校生がふるさと珠洲への思い語る

能登半島地震で被災し、石川県珠洲市から富山市に2次避難しているウエイトリフティングの有望選手、高校3年生の川端健太郎選手が「いろんなものをなくしたが自分ができる精いっぱいのことをして珠洲を守っていきたい」といまは離れている地元への思いを語りました。

石川県珠洲市のウエイトリフティングの強豪校、飯田高校に通う3年生の川端選手は、去年、国体の少年男子102キロ超級で総合優勝を果たすなど将来が期待される有望株で、ことし4月からは、ウエイトリフティングのトップ選手を数多く輩出している法政大学に進学することが決まっています。
川端選手の自宅は、地震で壁にヒビが入るなどして住める状態ではなく、地元の学校に家族6人で避難していましたが、1月20日からは富山市のホテルに2次避難しています。
避難先では、トレーニング設備はなく、専門的な練習はほとんどできていないということですが、ホテルの部屋などで片足でのスクワットや腹筋などを毎日継続し、体力や筋力を維持しようとしています。
2月23日から京都府で開催された「全日本ジュニア選手権」に高校生最後の試合として出場を予定していましたが、練習不足などのため断念しました。
川端選手は「ほんとに紙一重で助かったと思う。震災を経験したことで普通の生活ができることがほんとにありがたいことだと思いながら生きていかなきゃいけないと、今は思う。今回の震災でいろんなものをなくしたが、自分ができる精いっぱいのことをして、何か新しいものを自分の地域にもたらして、珠洲をつなげていくというか地元を守り続けたい」と、いまは離れて暮らす地元への思いを話していました。
川端選手は、3月1日には、高校の卒業式に出席するためおよそ1か月ぶりに地元、珠洲市に戻ることにしています。