クマによる被害相次ぎ課題・対策考えるシンポ 富山市

去年、富山県内でクマによる人への被害が相次いだことを受け、課題や対策について考えるシンポジウムが富山市で行われました。

23日、富山市の県民会館で開かれたシンポジウムには県や自治体の職員、県民など約80人が参加しました。
はじめに県森林研究所の中島春樹副主幹が「クマの出没はエサとなるブナやミズナラの実り具合が関係している」と説明しました。
また、県自然博物園ねいの里の間宮寿頼館長補佐が柿の木の伐採や、河川敷のやぶを整備することが被害を防ぐための有効な対策だと訴えました。
そのうえで、「去年の大量出没をきっかけに柿の木を伐採する地域が増えたが、今後、どう広域的に進めていくかが課題だ。山際に電気柵を設置するなど公共的な対策も必要だ」と指摘しました。
参加した富山市に住む30代の女性は「自宅は柿の木や屋敷林がありクマの潜みやすい環境となっていますが、何も対策をしていないので対策が必要だと感じました」と話していました。
県自然保護課によりますと去年1年間の県内のクマによる人への被害は1人が死亡し、8人がケガをしています。
このため県は山の中に約100台のカメラを設置してクマの生息状況を調査するほか、柿の木の伐採にかかる経費の補助金を拡充するなどといった対策を強化することにしています。