県消防学校で建物の焼け跡の検証実習 火災原因の調査力向上へ

火事の原因を調べる消防署員の調査力を高めようと、実際に燃やした建物の焼け跡を検証する実習が富山市にある県消防学校で行われました。

この実習は火災の発生が減って原因調査を行う現場検証の機会が減っているため、富山市惣在寺の県消防学校が行ったもので、県内の消防署員25人が参加しました。
消防署員たちは実習のために燃やされたアパートを想定した建物が焼け落ちる様子を映像で見て、出火場所を見立てたり、煙の色から何が燃えているのか考えたりしました。
このあと建物の焼け跡で現場の図面を作成したり、写真を撮影したりしたほか、アパートの家主役の講師から出火当時の状況などについて話を聞いて、火事の詳しい原因を特定していました。
参加した砺波消防署の後藤恭崇さんは「火災の発生件数が減って、なかなか現場に出ることがないので、とても勉強になりました。今回の経験をほかの署員にも伝えたい」と話していました。
講師を務めた富山市消防局予防課の小関啓介係長は「火災の原因調査には冷静な判断が求められます。焼け跡に残された物を正確に見ることなど、実習で得たことを現場で生かしてほしい」と話していました。