「北方領土の日」に黒部市で北海道根室の食材使った給食

「北方領土の日」の7日、戦後、北方領土から引き揚げてきた人が富山県内で最も多い黒部市では、北方領土に近い北海道根室市の食材を使った給食が出されました。

「北方領土の日」は、1855年2月7日に北方四島を日本の領土とする条約がロシアとの間に結ばれたことにちなんで定められています。
富山県は、戦後、北方領土から引き揚げてきた人が北海道に次いで多く、県内で最も多い800人あまりが引き揚げた黒部市では毎年、「北方領土の日」に市内の小中学校などで北方領土に近い根室市の食材を使った給食を出しています。
元島民が多く暮らす地区の生地小学校では、給食の時間に全校児童130人あまりがランチルームに集まり、武隈義一市長が「北方領土は今のロシアに占拠され、移り住んでいたおじいさんやおばあさんの中には、黒部市に戻ってきた人がいます。そうした歴史を思いながら食べましょう」とあいさつしました。
ことしのメニューは根室市で水揚げされたタラをカレー風味に調理したから揚げと、根室市周辺が特産の昆布入りのパンなどで、子どもたちがおいしそうに味わっていました。
6年生の女子児童は「給食はとてもおいしかったです。追い出された人がかわいそうで、いつか日本の島にもどって欲しいです」と話していました。