10万冊が落下 富山市立図書館が再開 防災特設コーナー新設

能登半島地震の影響で、およそ10万冊の本が本棚から落ちて休館していた富山市の図書館が17日に再開しました。
再開にあたって今回の地震で傷がついた本の展示や防災に関する書籍を紹介する特設コーナーが新たに設けられました。

富山市中心部の複合施設「TOYAMAキラリ」にある富山市立図書館では今回の地震でおよそ10万冊の本が棚から落ちて散乱しました。
1月4日から市の職員などが床に散乱した本を1冊ずつ拾い、傷がついたりページが破れたりしていないか確認し、17日に再開しました。
市立図書館によりますと、500冊あまりの本に傷などがつき、このうちおよそ50冊は本が折れたり破れたりして貸し出しができないとしています。
再開にあたって、図書館には、今回の地震で傷がついた本を展示したり、防災に関する書籍などを集めたりした特設コーナーを新たに設けています。
図書館を利用した人は「本が床に散乱しているのをニュースで見ていたので心配していましたが、再開してよかったです」とか「しばらく本を読めなかったので再開を楽しみに待っていました」と話していました。
富山市立図書館の越野伸二館長は「再開できてうれしいです。本が落下しないよう安全対策をとったので、リラックスして読書を楽しんでほしいです」と話していました。

《司書の吉岡さん「防災に役立つ本を活用してほしい」》
富山市立図書館の再開にあたって特設コーナーを設けるよう提案したのは、司書の吉岡真和さんです。
20年あまり図書館で勤務しているということですが、およそ10万冊の本が棚から落ちる被害は、初めてだと振り返りました。
その上で、吉岡さんは、今回の地震の被害を踏まえ、「1人でも多くの人が地震への備えを大切にしてほしい」と考え、図書館にある防災に関連する本を集め、紹介することにしました。
富山市立図書館の司書の吉岡真和さんは「これほどの被害が出るとは夢にも思いませんでした。図書館には、万一の災害に備えて何を準備すればいいのかや避難所などでどう生活を送ればいいかなど、防災に役立つ本がたくさんあります。ぜひ多くの人に活用してもらいたいです」と話していました。