「医療的ケア児」の在宅医療を学ぶ 訪問看護師向けの研修会

日常的にたんの吸引や人工呼吸器などが必要な「医療的ケア児」の在宅医療が課題となるなか、19日富山市で訪問看護師向けの研修会が行われました。

「医療的ケア児」をめぐってはたんの吸引や人工呼吸器の扱いなど、在宅での医療ケアの支援が課題となっていて、県は家庭の負担を減らそうと、こうした子どものケアができる訪問看護師の育成を進めています。
19日は富山市の富山大学附属病院で県の研修会が開かれ、訪問看護師15人が病院の看護師や公認心理師から、家族の話を聞いて不安に寄り添ったり、器具の使い方などを家族に教えたりするコツについて説明を受けました。
そして実習では、子どもの人形を使って鼻から胃までチューブを慎重に通し、子どものペースにあわせて栄養剤を注入する手順を学んでいました。
県によりますと、県内にはことし1月時点で医療的ケア児が200人いる一方で、およそ100ある訪問看護ステーションの多くは高齢者のケアが中心で、子どもに対応できるのはおよそ3割にとどまっているということです。
射水市の女性の訪問看護師は、「ふだんは高齢者を担当していますが、赤ちゃんは泣くなど対応が難しいとわかり勉強になりました」と話していました。
講師を務めた富山大学付属病院の看護師の鹿島美友紀さんは「病院の外でも医療や看護の目が広く届く体制をつくり、医療的ケア児や家族がのびのびと暮らせる地域を作っていきたい」と話していました。