“無花粉スギ” 県外出荷 昨年度の3倍の1万2000本余

政府が花粉症対策として花粉の少ないスギの苗木への植え替えなどを進める中、県森林研究所によって開発された無花粉スギが今年度、近隣3県へ前の年度の3倍にあたる1万2000本余り出荷される予定です。

政府は、30年後に花粉の発生量を半減させることをめざし、スギの人工林の伐採や花粉の少ない苗木への植え替えなどを重点的に実施する区域を今年度中に設定するとしています。
県内では県森林研究所が花粉を出さない無花粉スギ「立山 森の輝き」を平成22年に開発し、普及を進めています。
この無花粉スギは雪に強く成長も早いことなどからこれまでに福井県、石川県、それに新潟県へも出荷されていて、今年度は政府が花粉症対策を進める中昨年度の3倍にあたる1万2000本余り出荷される予定です。
一方、県は令和8年度までの10年で「立山 森の輝き」を県内の460ヘクタールで植え替える計画にしていますが、木材価格の低迷などで当初の計画より普及が遅れているということです。
県森林政策課は「生産体制を強化し花粉症対策に役立つ富山の無花粉スギをより多くの地域で将来植えてもらえるようにしたい。県内でも森林の持ち主や林業関係者への働きかけを続けていきたい」としています。