介護事業者のBCP作成義務化へ 高岡市で関係者が対応を学ぶ

来年度までにすべての介護施設で地震や大雨などの災害を想定したBCP=業務継続計画の作成が義務づけられる中、高岡市で施設の担当者に作成のポイントを解説する講座が開かれました。

この講座は、県が開いたもので、高岡市のホールには県西部に事業所がある介護施設の担当者23人が集まりました。
講座では福祉分野の防災活動に詳しい「ADI災害研究所」の伊永勉理事長が講師を務め、職員が災害に遭うことも想定し被災後も継続しなければならない業務や新たに生まれる業務を整理するよう呼びかけました。
このうえで4人もしくは5人のグループにわかれて被災後の業務内容を話し合いました。
施設の担当者たちは「利用者の体を拭くのは健康衛生上、被災後も続けなければならない」や「被災後に施設に通うお年寄りの安否確認を行う必要があるが職員がどの程度集まれるかわからないので日頃から緊急時の体制案を作るべきだ」などと話し合っていました。
国は、すべての介護施設に対し来年度までにBCPの作成を義務づけていますが、県がことし8月に県内にある1400あまりの高齢者施設を対象にしたアンケートでは、災害を想定したBCPを作成したと回答したのは3割あまりにとどまっているということです。
小矢部市の施設の担当者は「具体的な課題を話し合うことができたので施設内での話し合いも進めやすくなりました」と話していました。
講師を務めたADI災害研究所の伊永勉理事長は「富山県は雪害や風水害が多く特に災害への備えが必要だ。計画をつくるだけでなく訓練などにいかしてほしい」と話していました。

《BCP作成義務化とは・・・》
厚生労働省は、相次ぐ災害や新型コロナウイルスの感染拡大により介護サービスの提供に影響があったことを踏まえ、おととし介護などを行うすべての事業者に対し、地震や水害などの災害と感染症を想定したBCP=業務継続計画をそれぞれ来年度までに作成するよう義務づけました。
都道府県などに提出する必要はありませんが、監査のときに確認や指導などを行うとしています。
計画には業務の優先順位や職員、物資の確保などについて盛り込む必要があり、厚生労働省はホームページに作成のポイントをまとめたガイドラインと解説動画、それに計画のひな型を掲載しています。
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