AI活用した乗り合いバス 富山市が社会実験開始

郊外や中山間地で交通手段の確保が課題となるなか、富山市の大山地区でAI=人工知能を活用した乗り合いバスの社会実験が2日から始まりました。

「あいのり大山」と名付けられた乗客定員が9人の乗り合いバスは、郊外や中山間地で路線バスなど公共交通の維持が難しくなる中、市がAIを活用した新たな移動手段として導入を検討していて、2日から社会実験を始めました。
停留所は、ドラッグストアなど、これまでより10多い32か所に設けられていて、利用者がウェブサイトや電話で時間や場所を予約すると、AIが導き出した効率的なルートでバスが運行されます。
2日はさっそく、病院に向かうお年寄りなどの予約が次々と入る中、運転手がAIの道案内に沿って運転していました。
運行は、日曜・祝日を除く午前9時から午後5時まで、利用は会員登録が必要で、料金は一律200円、高齢者や小中学生、障害者は100円、未就学児は無料です。
80代の女性は「新しい時代のバスという感じがして戸惑いもありますが、ありがたいサービスなのでまた利用したいです」と話していました。
富山市交通政策課の江上晴久主幹は「運転手の経験に頼っていた部分を効率化し、地域の足を守っていきたい」と話していました。
「あいのり大山」は、来年3月30日まで試験運行し、市は、利用者や運転手の意見をふまえた上で導入するか判断することにしています。