「連携排砂」水質調査の結果 “これまでの観測値の範囲”

黒部川上流にある2つのダムの底にたまった土砂を下流に流す「連携排砂」について国土交通省と関西電力はことしはほぼ平年通りの土砂の量を流し、これに伴い行った水質調査の結果は「概ねこれまでの観測値の範囲だった」と発表しました。

黒部川上流にある関西電力の「出し平ダム」と国の「宇奈月ダム」ではダム機能を維持するため、底にたまった土砂を同時に下流に流す「連携排砂」を平成13年から行っています。
ことしは6月30日から7月2日にかけて実施され国土交通省黒部河川事務所と関西電力は、これまでの排砂量の平均とほぼ同じ約32万立方メートルの土砂を排出したと発表しました。
これに伴い黒部川などで行った水質調査では、下流の下黒部橋で水の汚れの指標となるCOD=化学的酸素要求量の平均がこれまでの最高値を14%ほど上回ったということです。
これについて黒部河川事務所と関西電力は、「下黒部橋以外の地点の数値は概ねこれまでの観測値の範囲だったので、ただちに環境に影響を及ぼすものではないと考えられる」としています。
今回の調査結果は来年1月をめどに開かれる「黒部川ダム排砂評価委員会」に報告されることになっています。