住民から不安の声 廃墟の温泉旅館の跡地撤去へ 魚津市

廃虚となり、付近の住民から治安上の不安の声が上がっている魚津市の温泉旅館の跡地が、国の補助金などを使って来年度中に撤去されることになりました。

魚津市の坪野地区にある、かつての温泉旅館、通称「坪野鉱泉」は、廃業から40年ほどが経ち、6階建ての建物などが廃虚となっています。
不法侵入などの問題があとを絶たず、地元では監視カメラを設置するとともに魚津市では所有者に施設の撤去などを働きかけてきましたが、2億円近くとされる費用などを理由に折り合いが付かず、長年、放置されてきました。
そうしたなか、魚津市はおととしできた観光庁の補助事業を使ってこの施設を撤去する計画を提出したところことし5月に市の計画が国に採択されました。
採択された計画では、撤去費用を国が2分の1、市と県がそれぞれ6分の1補助するしくみとなっていて、魚津市と県は9月の補正予算案に撤去費用の一部を盛り込みました。
撤去自体は、9月から所有者が行い、来年度中には作業を終える見込みです。
魚津市は「長年、『迷惑施設』とみられていた施設が取り除かれることで、この地域が見晴らしのいい、新たな観光スポットとして再生するよう期待したい」と話しています。