新型コロナ 県内患者数 9週連続増加 9月3日までの1週間

9月3日までの1週間に県内で確認された新型コロナウイルスの患者数は、1医療機関あたりの平均で17.27人と9週連続で増加しています。

県によりますと、9月3日までの1週間に県内48の医療機関から報告された新型コロナの患者数はあわせて829人でした。
これを1つの医療機関あたりの平均でみると17.27人で、前の週から(16.52人)1.05倍となり、9週連続で増加しました。
県が推計した1週間の県内全体の患者数は3913人となり、前の週より(3744人)169人増加しています。
年代別では50代が全体の16%を占め最も多く、次いで40代が15%となりました。
また10歳未満が11%、10代が13%で、前の週よりそれぞれ3%増えました。
9月3日時点で入院患者は253人、重症者は2人となっています。
県感染症対策課は、「10歳未満、10代の患者数が大幅に増加し学校再開の影響が考えられる。引き続き動向を注視する必要がある」と話しています。

《患者数増加の理由・小児医療の専門家は》
この時期、新型コロナの患者数が増加していることについて、富山大学附属病院・小児科 種市尋宙 医師に理由を聞きました。
種市医師は「夏休みは学校が閉まっているので子どもたちが集団で接触する機会は減りますが、大人たちはどうしても社会活動をしないといけないので接触回数が増えます。実際現場で診療する上では圧倒的にコロナの感染は大人から子どもへの家族内感染が多かった」と話しています。
それを表しているのが県の厚生部と衛生研究所がまとめた年代別の新規感染者の推計値です。
夏は毎年、感染者が増える傾向にありますがことしは夏休み期間中の8月上旬にまず、40代から50代を中心に大人の感染が増えました。
そこから1週間ほど遅れて子どもたちの感染が急増しているのが分かります。
しかし、ピークをすぎて減少傾向も出始めているとして過度なリスク意識は持たず、子どもたちのためにも冷静な対応が必要だと呼びかけています。
種市医師は「実際、大人の世代は今週ピークを超えて、少し減り出している兆候が見えていて、子どもたちもこの数週間の間にピークを越えて下がってくる可能性がある。適切な感染対策はもちろん継続してもらえればいいんですが9月というのは、子どもたちにとってメンタルヘルスのうえで非常に重要な時期ですので変に不安になって過去のように行事を中止にしたりとか、楽しいイベントをやめてしまう理由は全くないと思っている」と話しています。

《相談窓口の活用を》
県は、新型コロナに感染した人などから受診や療養についての相談を受け付ける電話窓口を引き続き設けています。
窓口には5類移行後も相談が相次いでいて、8月までの3か月間に救急搬送が必要と判断したケースが30件あったということです。
電話番号は0120−478−220で休日も含め24時間体制で受け付けています。