富山空港 上海便が再開で観光地から期待と懸念の声

さて、上海便の再開について、県内では観光地で、中国人観光客への期待の声が聞かれました。
一方で、日本人の上海への渡航については、ビザの面でハードルが高いようです。
それぞれの現場を取材しました。
(期待の声)。
小林佑輔記者「県内有数の観光地、黒部宇奈月温泉です。名物のトロッコ列車には大勢の観光客が訪れています」。
黒部峡谷を走るトロッコ電車は、雄大な自然を楽しめるのが人気で去年はのべ41万人が利用しました。
黒部峡谷鉄道の浦島孝之営業部長は、コロナ禍で厳しい状況が続いてきた中、国際線の定期便の初めての再開に期待しています。
浦島孝之営業部長「実に3年5か月ぶりの国際定期便の再開で、大変喜んでおります」。
トロッコ電車では、コロナ禍の前の年(2019年)は外国人観光客がのべ6万人余り利用していましたが、その後、大きく落ち込みました。
浦島孝之営業部長「2020年からは、ぱったりと、ほぼゼロに近い数字になってしまいました」。
水際対策が緩和されてからは、外国人観光客の姿もよく見かけるようになりました。
(オランダ人観光客)「黒部峡谷が大好きです。家族と一緒に見るのが楽しみです」。
外国人観光客は、ことし6月末時点で2万8000人にまで回復。
上海便の再開を受けて、会社は以前作った中国語のパンフレットを活用するなどして、中国の観光客をもてなしたいとしています。
浦島孝之営業部長「ぜひ、これから夏、秋にむけて、たくさんの海外のお客様をお迎えしたいと考えています」。
(懸念の声)。
一方、日本から上海への渡航については、旅行業界では懸念の声が聞かれました。
富山市にある旅行会社です。
海外旅行のツアー商品や航空券を扱っています。
お盆休みを前に忙しい時期ですが今回の上海便については予約は低調だといいます。
背景にあるのが、中国のビザ取得の難しさです。
日本人が中国に旅行や出張で訪れる場合、コロナ禍の前は15日以内ならビザが免除されていましたが、いまはビザが必要です。
富山県民が申請するには、書類を作成したうえで、指紋を登録するため、原則として、名古屋のビザ申請センターに本人が出向く必要があります。
また申請の予約が混み合っているため、予約できるのは8日の時点で最も早くて9月中旬と1か月以上先です。
旅行会社の松田隆社長「ビザがいるということで、それの結構日数がかかったりするもんですから、厳しいなと思っています」。
以前に作ったツアーのチラシは、新たに作り直す予定です。今後、両国の行き来が前のようにしやすくなることを願っています。
松田隆社長「うちにとっては、アウトバウンドもそうですし、インバウンドにとっても主力でしたので、以前に戻るようになりたいと思っています」。