牧野富太郎にまつわる新資料 ”氷見で自生のオニバスに関心”

NHKの連続テレビ小説、「らんまん」の主人公のモデルになった植物学者の牧野富太郎が、昭和初期に現在の氷見市を訪れ、地元でオニバスを研究していた人たちと交流した際の写真などが新たに見つかりました。
氷見市立博物館は、牧野がこの土地に自生していたオニバスに関心を寄せていたことがわかる貴重な資料だとしています。

新たに見つかったのは、牧野富太郎が昭和10年に、当時の十二町村、現在の氷見市十二町を訪れた際の記念写真で、地元で長年オニバスを研究していた的場冨士彦村長などと一緒に撮ったものです。
写真には、三つ揃えに、ちょうネクタイ姿の牧野博士と着物姿の的場村長が隣どうしに立って写っていて、2人の前にはオニバスを人工的に栽培していた鉢が確認できるということです。
地元の十二町潟やその周辺には当時、葉の直径が2メートルほどにもなるオニバスが自生していて、的場村長は一部の自生地を国の天然記念物に指定することにも尽力し牧野とも交流があったとみられています。
このほか牧野が、十二町潟のオニバスを題材にして詠んだ短歌を書いた直筆の色紙も新たに見つかりました。
これらの資料は的場村長の孫にあたる的場明徳さんが自宅に保管していたものを、このほど氷見市立博物館に預けたということです。
明徳さんは、「これまでは倉の中に置いてあったが貴重なものなので、多くの人に見ていただいて、知っていただければ良いなと思いました」と話していました。
また、氷見市立博物館の小谷超館長は、「研究交流だけでなく文化交流が盛んに行われていたことが分かる資料だ。今後、植物学の専門家などに見てもらい、オニバス研究にも生かせれば良いと思う」と話していました。
新たに見つかった写真や色紙などは氷見市立博物館で3日から9月末まで公開されます。