高岡古城公園のＳＬが静岡県の大井川鐵道に譲渡へ

高岡古城公園で長年展示されてきたＳＬが静岡県の大井川鐵道に譲り渡されることになり、１０日、記念の式典が開かれました。

このＳＬは、氷見線や城端線などを走ったあと、旧国鉄が高岡市に無償で貸与し、１９６９年から高岡市の高岡古城公園で展示されてきました。
このほど、ＳＬを運行している静岡県の大井川鐵道に譲り渡されることが決まり、解体作業が始まるのにあわせて１０日、関係者が出席して公園で記念の式典が開かれました。
式典では高岡市の角田市長が「思い出を振り返りながら、市民の皆様と一緒にＳＬの旅立ちを見送りたいと思います」とあいさつしました。
続いて大井川鐵道の鈴木肇社長が「蒸気機関車の歴史と技術を未来に残すために、大切に利用することを約束します」と述べました。
公園には長年親しんできたＳＬに別れを告げようと、地域の人たちも訪れ、写真を撮ったり、ＳＬを触ったりしていました。
南砺市から来た男性は「子どものころ高岡に買い物に行くときにＳＬを利用していました。石炭の匂いを今でも覚えています。無くなるのは寂しいですがまた会いに行こうと思います」と話していました。
鉄道会社によりますと、ＳＬの解体作業は９月中旬まで行われ、そのあと静岡に運んで車体の点検を行い、このＳＬを再び走らせるのか、部品の一部を別のＳＬに利用するのか、具体的な活用方法を判断するということです。