胃潰瘍で死亡は長時間労働など原因 消化器系の労災認定は異例

富山市の電気設備工事会社に勤める当時62歳の男性が、おととし、出血性胃潰瘍で死亡したのは長時間労働などが原因だとして、富山労働基準監督署が労災と認定していたことが、遺族の代理人弁護士への取材でわかりました。
弁護士によりますと、消化器系の病気で労災が認められるのは異例だということです。

労災と認められたのは、富山市の電気設備工事会社に勤めていた当時62歳の男性です。
男性の遺族の代理人弁護士によりますと、男性は、1986年から技術者として勤務し、3年前の(2020年)8月の定年後も再雇用されて、放送局の電気設備工事の現場責任者を務めていました。
男性は、2年前(2021年)の12月に自宅で倒れ、搬送先の病院で出血性胃潰瘍により死亡したということです。
男性の時間外労働は、死亡前の直近1か月がおよそ122時間、その前の1か月がおよそ113時間に上っていたということです。
弁護士によりますと、富山労働基準監督署は、男性の死亡は、現場責任者としての長時間労働やストレスが原因だとして5月に労災と認定したということです。
松丸正弁護士は、NHKの取材に対し、「消化器系の病気の労災認定の基準がないため、認定された例が少ない。基準を設けるべきではないか」とコメントしています。