性的暴行でけが負わせた罪 1審で無罪判決の被告の2審が結審

3年前、富山市内のホテルで知人の女性に性的暴行を加えてけがを負わせた罪に問われ、1審で無罪判決を受けた被告の2審の裁判が23日に名古屋高等裁判所金沢支部で開かれ、被告は女性の同意があったと改めて主張しました。
裁判は23日で結審し、7月に判決が言い渡されます。

現在東京に住む会社員の被告(26)は、大学生だった3年前の令和2年11月、富山市内のホテルで20代の知人女性に対し性的暴行を加えてけがを負わせた罪に問われ、1審の富山地裁は去年5月、「女性が逃げたり大声で助けを求めたりしなかったのは不自然だ」などと指摘し無罪を言い渡し、検察が控訴していました。
23日に名古屋高裁金沢支部で開かれた裁判で、被告は女性の胸や下半身を触るなど性的行為はしたと認めた一方で、性交はしていないと主張しました。
そのうえで「女性からの抵抗はなく、行為をとめるようなしぐさや表情もなかった」として、1審と同様に女性の同意があったと改めて主張しました。
一方、検察側は1審判決には重大な事実誤認があるとした上で「性犯罪被害者特有の心理に対する無理解や時代錯誤な価値観を持ち込んだ」などとし、1審判決を破棄するよう求めています。
また、女性は23日に代理人を通じて意見陳述を行い、「何もわかってもらえない無力感がある。時間が経過してもつらい日々を過ごしていることを少しでもわかってもらいたい」と述べました。
裁判は23日で結審し、判決は7月13日に言い渡されます。