“PCR検査補助金不正受給” 元社長に執行猶予付き有罪判決

PCR検査の費用を助成する県の事業を巡り虚偽の申請を行って補助金をだまし取ったとして詐欺の罪に問われた富山市の食品メーカーの元社長に対して、富山地方裁判所は執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。

富山市にある食品メーカーの元社長、中道博志被告(49)は、去年4月から5月にかけて工場従業員に対して行ったPCR検査約850人分について、県のPCR等検査無料化事業の対象になっていた富山市の検査拠点で行ったように装う虚偽の申請を行い補助金2500万円余りをだまし取ったとして詐欺の罪に問われていました。
これまでの裁判では検察が「中道被告は出張検査が事業の対象外だと確実に認識していた」として懲役3年6か月を求刑した一方で、弁護側は「資産家の中道被告が詐欺に手を染める動機はない」として執行猶予の付いた判決を求めていました。
23日の判決で富山地方裁判所の本多進裁判官は「被害金額は2500万円余りと多額で、会社ぐるみで不正な検査を実施していることから、結果は重大で組織的で悪質性の高い犯行だ」と指摘しました。
一方で、中道被告や共犯者などから全額被害弁償がされていることなどから、懲役3年6か月の求刑に対し、懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡しました。