薬売りが配っていた版画などの企画展 富山市

富山の薬売りが、得意先に配っていた版画などを紹介する企画展が富山市で開かれています。

富山市の売薬資料館で開かれている企画展では、薬売りが得意先に配っていた教訓や格言の書かれた版画などおよそ30点が展示されています。
このうち、江戸時代末期から明治にかけて配られた版画は、そろばんを持った大黒と商家の様子が描かれた絵に「商人は利を細ふして糸偏に売るという字を考えてみよ」と書かれています。
金もうけだけではなく、糸のように長く客との関係を続けていくことの大切さが説かれています。
また、明治から大正にかけて作られたチラシには、にこやかな大黒と恵比寿がさまざまな教訓を書いた短冊をつるし、堪忍袋に鍵をかける様子がユーモラスに描かれています。
売薬資料館の兼子心学芸員は「特に初期の版画には、薬の宣伝もない。富山の薬売りがただ薬を売るだけでなく、得意先の健康や幸せを祈っていたことを示す貴重な資料だ」と話していました。
この企画展は、富山市の売薬資料館で7月18日まで開かれています。