半導体製造装置の新工場建設へ 砺波市で安全祈願祭

ハイテク産業に不可欠な半導体の製造装置を生産する工場が、砺波市に新たに建設されることになり、20日に安全祈願祭が開かれました。

砺波市に新たに生産工場を建設するのは、富山市に生産拠点を持つ半導体製造装置大手、「KOKUSAI ELECTRIC」です。
20日は、建設予定地の工業団地で夏野市長らが出席して安全祈願祭が開かれました。
メーカーによりますと、生産工場の建設は世界的な半導体需要の高まりを受けたもので、240億円を投じて約4万平方メートルの敷地に地上3階建ての工場を建設する計画です。
このメーカーは、半導体の材料の表面に薄い膜をつける「成膜装置」など、半導体製造の前工程で行われる機器の生産などを得意としていて、生産能力を約2倍にまで増やしたい考えです。
操業開始は来年秋の予定で、メーカーでは、地元の雇用機会の創出に力を入れるとしています。
メーカーの山田正行常務執行役員は「半導体需要は今後さらに2倍近く伸びることが予想され、メーカーが持つ開発・生産力を生かして市場の加速について行きたい」と話しています。

《砺波に建設の新工場 国内の半導体産業強化に向けて期待》
半導体の製造装置は、日本メーカーが世界市場で約3割のシェアを占め、一定の競争力を保っています。
一方で、国内の半導体産業をめぐっては、アメリカと中国の対立などで経済安全保障の環境が大きく変わるなか、半導体を安定的に供給できるかが課題となっていて、経済産業省は、4月、国内の半導体産業の強化に向けた戦略案を示しました。
それによりますと、国内では実用化されていない2ナノメートルの先端半導体の製造技術の確立を加速させるほか、スマートフォンやデータセンター向けの記憶用の半導体や、電気自動車の制御などに使われる半導体の高性能化も進めるとしています。
そして2030年には国内の半導体関連産業の売り上げを今の3倍程度の15兆円に拡大させる目標を掲げています。
砺波市に建設される生産工場は、こうした国内の半導体産業強化に寄与するものとして期待されます。