県に寄せられた障害者虐待の相談・通報 令和3年度は過去最多

障害者への虐待が行われたとして令和3年度に県に寄せられた相談や通報は159件と、これまでで最も多くなりました。

県のまとめによりますと、令和3年度に県に寄せられた障害者虐待の相談や通報は159件で、平成24年に統計を取り始めてから最も多くなりました。
虐待の種類別では、賃金の未払いや最低賃金未満で就労させるなどの経済的虐待が61件、身体的虐待が13件、暴言を吐くなどの心理的虐待が8件、性的虐待とネグレクトがそれぞれ1件でした。
県は経済的虐待の件数が多くなった要因として、県内にある障害者を雇用している事業所1か所で48人に賃金の未払いがあったことが発覚したためだとしています。
富山労働局が事業所を指導した結果、未払い分の賃金が支払われたということです。
また、虐待をした人は障害者を雇用する事業所の使用者が88件、家族などの養護者が50件、障害者施設の従事者などが21件でした。
県は県内にある障害者入所施設3か所で身体的虐待や心理的虐待があったとして、自治体が指導などを行ったとしています。
障害者への虐待をめぐっては、発見した人に通報を義務づけることなどを定めた障害者虐待防止法が平成24年に施行されています。
県の障害福祉課は「虐待かもしれないと思ったら行政の窓口に通報してほしい」と話しています。