パートナーシップ宣誓制度始まる カップルから喜びの声

事実婚や性的マイノリティーのカップルなどを、行政サービス上、結婚に相当する関係として認める「パートナーシップ宣誓制度」が1日から県で始まり、受領証の交付を受けたカップルからは喜びの声が聞かれました。

県は、事実婚や性的マイノリティーのカップルが社会生活の中で直面する不都合な場面を少しでもなくそうと、1日から届け出に基づいて受領証を発行する「パートナーシップ宣誓制度」を始めました。
富山市内の会場には、県内に住む事実婚のカップルが宣誓の手続きに訪れ、宣誓の受領証が県の担当者から手渡されました。
県によりますと、受領証があれば、公営住宅に入居する際に同居する親族として扱われるほか公立病院の病状説明などで家族と同様に扱われるということです。
受領証のカードを受け取った佐藤文敬さん(44)は、「現行の法律婚だと名字を変える作業が片方の負担になるため事実婚を選びました。病院などで2人の関係性を証明するものが必要な時に、カード1枚で済むというのは大きな変化です」と話していました。
また、佐藤さんのパートナーの遠藤優子さん(43)は、性的マイノリティーの支援活動をしていて、今回、この制度を多くの人に知ってもらいたいと取材に応じました。
遠藤さんは「同性カップルにとって人前で宣誓するのはとても勇気のいることだと思う。1人1人にとって、生きやすい富山県になっていけばいいなと思います」と話していました。
この制度の対象になるのはパートナーどうしが2人とも18歳以上で、少なくとも1人が県内に住んでいるか転入の予定があるなどの要件を満たすことが必要となっています。
県によりますと、1日午後5時までに3組が宣誓の受領証を受け取ったということです。
パートナーシップ宣誓制度は今、全国で広がっています。
渋谷区と認定NPO法人虹色ダイバーシティの共同調査によりますと、ことし1月10日の時点で、255の自治体に導入されています。
人口カバー率は65.2%です。
都道府県全体で最初に導入したのは令和元年の茨城県で、きょうからは富山県のほかに静岡県でも制度が始まり、全国の合わせて12の都府県で導入されています。
富山県を含むパートナーシップ宣誓制度が導入された多く自治体では、公立住宅への入居や公立病院での面会や病状説明の際に家族と同様に扱われることになります。
ただ、性的マイノリティーの政策に詳しい富山大学の林夏生准教授は「異性カップルと同性カップルでは利用できる行政サービスにまだ差があるため、利用できる範囲を広げていくべきだ」と指摘しています。
実際、自治体の中には、パートナーシップ宣誓制度に基づいて同性カップルが利用できる行政サービスを独自に広げているところもあります。
例えば、東京都の世田谷区では、家族が災害で亡くなった場合に行政から支給される災害弔慰金を同性パートナーも受け取れるようにしています。
また、札幌市や大阪市では、犯罪の被害者家族への給付金を受け取ることができます。
富山大学の林夏生准教授はこうした動きを評価したうえで、「異性カップル、同性カップルにかかわらず、支えていこうというのは誰も取り残さない社会をつくろうとする自治体においてとても重要だ」と指摘しています。