PCR検査の補助金詐取 元社長が起訴内容認める

PCR検査の実施にかかる費用を助成する県の事業を巡り、県に虚偽の申請を行って補助金をだまし取ったとして詐欺の罪に問われている富山市の食品メーカーの元社長の裁判が30日から始まり、元社長は起訴された内容を認めました。

起訴状などによりますと、富山市にある食品メーカーの元社長、中道博志被告(49)は、富山市の会社役員、西昭洋被告(46)と共謀し、去年4月から5月にかけて、工場内で従業員に対して行ったPCR検査850人分について、県の「PCR等検査無料化事業」の対象になっていた西被告が運営する富山市内の検査拠点で行ったかのように装って県に虚偽の申請を行い、補助金2500万円余りをだまし取ったとして詐欺の罪に問われています。
30日から富山地方裁判所で中道被告への審理が始まり、被告は起訴された内容について「そのとおりです」と述べて認めました。
このあとの冒頭陳述で検察側は、中道被告は県に事前に登録した場所以外で行った検査については補助金の対象にならないことを認識していながら検査数を増やすため工場内ですべての従業員に検査を受けさせるよう社内で指示していたと主張しました。
そのうえで検査を受けた場所を工場ではなく登録済みの検査拠点にするよう具体的な指示を出していたと指摘しました。
一方、弁護側の被告人質問に対して、中道被告は「登録済みの拠点では実際に検査を行っていたため、出張検査を行うことは問題にならないと認識していた」とも述べました。
次回の裁判は3月8日に開かれる予定です。