白山市の北陸道の死亡事故 1審判決を破棄 危険運転認めず

3年前、石川県白山市の北陸自動車道でそばの車に急な車線変更など「あおり行為」をして転倒させ運転していた男性を死亡させたとして、危険運転致死の罪に問われた立山町の会社員について、2審の名古屋高等裁判所金沢支部は危険運転を認定した1審判決を破棄し、執行猶予の付いた判決を言い渡しました。

立山町の会社員、本松宏一被告(44)は、3年前の5月、石川県白山市の北陸自動車道でそばを走っていた三輪自動車に急な車線変更など「あおり行為」をして転倒させ、運転していた76歳の男性を死亡させたとして危険運転致死の罪に問われました。
1審の金沢地方裁判所は去年12月、被害者の車両の近距離に自分の車を進入させた被告の運転は意図的だったとして危険運転致死罪の成立を認め、懲役6年の判決を言い渡しました。
11日の2審の判決で名古屋高等裁判所金沢支部の森浩史裁判長は「被告は被害者の車とは別の前方の車両との車間が詰まったために車線変更したにすぎないとみられ、直前に被害者の車と約1分間にわたって併走を続けたという検察側の指摘についても高速道路を走行する際にはしばしば起こりうることだ。何ら不自然な運転状況とはいえず、1審判決には明らかな事実誤認がある」と指摘して、1審の判決を破棄しました。
その上で、被告の罪は運転の基本的な注意義務を怠った過失にとどまるとして、本松被告に執行猶予5年の付いた禁錮3年の判決を言い渡しました。