琴浦町 倒壊のおそれある空き家解体「略式代執行」

放置された空き家の増加が問題となる中、琴浦町は、所有者がいない倒壊のおそれがある空き家を、法律に基づいて撤去する作業を20日から始めました。

撤去されるのは、琴浦町八橋にある木造2階建ての空き家です。
20日午前9時半に町の担当職員が法律に基づいて町が代わりに撤去を行う「略式代執行」を宣言したあと、解体業者が重機を使って敷地内にある樹木を取り除く作業を始めました。
町によりますと、住宅密集地にあるこの家は、所有者が亡くなったあと法定相続人も相続を放棄したため、8年前から所有者がいない状態が続き、2階の床が抜け落ちるなど傷みが進んでいました。
さらに前の道路が通学路になっているため、周辺の住民から「屋根瓦が飛んできて危ない」などと撤去を求める要望が寄せられていました。
撤去にかかる費用はおよそ1800万円で、およそ半分は国と県の補助金をあて、残りは町が負担するということです。
総務省の去年10月時点の調査では、県内の空き家の数は過去最高の4万1300戸で、県によりますと、今回のような放置すると倒壊のおそれがあるなど特に危険性が高い「特定空き家」は、県内で去年3月時点で789戸にのぼっています。
琴浦町建設住宅課の黒田武課長は「空き家を放置すると、周辺の環境に非常に悪影響を及ぼしてしまう。原則的には所有者や相続人に適切な管理をお願いしたい」と話していました。