県内8町が“消滅可能性自治体”に「人口戦略会議」が公表

民間の有識者グループ「人口戦略会議」は、20代から30代の女性の数をもとに、将来的に消滅する可能性がある自治体を公表しました。
鳥取県では8つの町が対象となった一方、前回・10年前の調査で対象となった5つの町は、今回「消滅可能性自治体」から脱却しました。

有識者グループ「人口戦略会議」は、国立社会保障・人口問題研究所の推計をもとに、20代から30代の女性の数「若年女性人口」の減少率を市区町村ごとに分析しました。
2050年までの30年間で「若年女性人口」が半数以下になるのは、全国の自治体の4割にあたる744で、これらの自治体ではその後、人口が急減し、最終的に消滅する可能性があるとしています。
鳥取県の自治体では、19市町村のうち8つの町で2050年までの30年間の「若年女性人口」の減少率が50%を超えました。
具体的には、若桜町で77.4%だったほか、日南町・江府町・日野町・智頭町で60%台、八頭町・岩美町・大山町で50%台となっていて、いずれも「消滅可能性自治体」とされました。
一方、10年前の2014年に行われた分析で「消滅可能性自治体」とされたものの、今回、県内では5つの町が対象から脱却しました。
具体的には三朝町・琴浦町・北栄町・南部町・伯耆町の5つで「若年女性人口」の減少率がいずれも50%を下回りました。
今回の分析では「若年女性人口」の減少率が20%未満にとどまる自治体を「100年後も若年女性が5割近く残っており、持続可能性が高いと考えられる」として「自立持続可能性自治体」にしていますが、鳥取県では唯一、日吉津村が含まれました。

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【2050年までの30年間の「若年女性人口」の減少率】。
若桜町77.4%、日南町68.9%、江府町66.2%、日野町64.6%、智頭町60.9%、八頭町56.7%、岩美町55.5%、大山町50.4%。
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琴浦町46.6%、三朝町46.2%、南部町45.7%、北栄町44.7%、境港市42.2%、伯耆町41.7%、倉吉市35.2%、鳥取市33.2%、湯梨浜町31.3%、米子市24.8%、日吉津村14.2%。

【消滅可能性自治体を脱却した町は】
今回の調査で「消滅可能性自治体」を脱却した町の中には、移住や定住を進める政策に力を入れてきたところもあります。
このうち琴浦町では、若者や子育て世帯が新しく住宅を建てる際に補助金を出す制度を昨年度から始めたほか、町外の人に1週間程度、町での仕事を体験してもらう取り組みを、費用の一部を負担して進めています。
令和4年度の町への移住者は170人と、前の年度に比べて19人増えたということです。
また伯耆町では、町内で結婚した夫婦に補助金を支給しているほか、町の暮らしを体験してもらう短期滞在用の「お試し住宅」を貸し出すなど工夫を凝らしているということです。

【鳥取県“人口減少の傾向は変わっていない”】
鳥取県人口減少社会対策課は「消滅可能性自治体の数は減少したが、全体として人口減少の傾向は変わっていない。持続可能な地域づくりのため、移住や定住を進める政策や、若年層の女性に県内での就職を促す取り組み、さらに子育て環境の充実など総合的な対策を進めていきたい」と話しています。