拉致 松本京子さんの兄 孟さん講演“早期解決へ協力を”米子

北朝鮮が拉致問題を解決済みとする立場を改めて鮮明にする中、米子市の拉致被害者・松本京子さんの兄 孟さんが地元の公民館で講演し、拉致問題の早期解決へ協力を呼びかけました。

米子市の拉致被害者 松本京子さんは、29歳だった昭和52年10月に自宅から近所の編み物教室に向かう途中、北朝鮮に拉致されました。
兄の孟さんが23日に米子市の河崎公民館で行った講演には、住民およそ30人が参加しました。
講演で孟さんは「妹はいつもどおり習い事に出ていったが、いつもと変わらない日常にどうにもならない落とし穴があったのは、悔やんでもしかたのないことだが残念だ」と振り返りました。
そのうえで「皆さんが日常の中で『拉致はいけない』というひと言だけでも積み重ねていくことで大きな輪となり、日本中が拉致被害者を助けないといけない、という気持ちが出てくると思う。どうか一つ一つできることをやってください」と述べて、拉致問題の解決に向けて協力を呼びかけました。
拉致問題をめぐっては、北朝鮮のチェ・ソニ外相が3月に発表した談話で、解決済みだとしたうえで日本側との接触を拒否する姿勢を強調しています。
参加した70代の女性は「自分の子どもだと考えたらとても悲しくなる。きょう聞いた話を家族にも伝えたいと思います」と話していました。