能登半島地震発生直後 県内温泉で水温と水位が一時的に上昇

ことし1月の能登半島地震の発生直後、鳥取県内の温泉で水温と水位が一時的に上昇したことが鳥取大学の調査で分かりました。
研究者は「地盤の裂け目が広がり、地下深くから高温の水が温泉に流れ込んだのではないか」と見ています。

鳥取大学は24年前の鳥取県西部地震をきっかけに、温泉から地下深くの状態を調べ地震の予兆を探ろうと、県内の温泉の水温と水位を観測しています。
鳥取大学工学部の野口竜也准教授によりますと、1月1日の能登半島地震の発生直後に、震源から直線距離で300キロ近く離れた鳥取市と岩美町の温泉で、通常とは異なる水温と水位の変化が観測されました。
このうち岩美町の「岩井温泉」では、水温が地震直後に0.56度上昇しました。
上昇幅は、2011年の東日本大震災と、2016年に鳥取県中部で震度6弱の揺れを観測した地震に次いで、観測開始以降3番目に大きいということです。
また鳥取市の「鳥取温泉」では、地震直後、水位が30センチほど上昇したということです。
野口准教授は、地震で鳥取県内の地盤の裂け目が広がり、地下深くにたまっている高温の水が温泉に流れ込んだのではないかと見ています。
野口准教授は「地震は地下水や温泉水に影響するし、ほかの地域の断層や地殻変動にも影響することを示している」と話しています。