認知症“見守りシール”配布 QRコードで家族に連絡 米子

行方不明になった認知症の人が見つかった際に、すぐに家族に連絡できるQRコードが印刷されたシールの配布が、3月1日から米子市で始まりました。

この「見守りシール」は、行方不明になるおそれがある認知症の人の服やバッグ・つえなどに貼り付けて使用します。
発見した人がシールに印刷されたQRコードをスマートフォンで読み取り、表示されたページに発見場所を入力すると、あらかじめ登録された家族などの連絡先へメールで知らせる仕組みです。
米子市は3月1日から市内の65歳以上の認知症の人や、若年性の認知症の人などへの配付を始め、市役所に申請書を提出すれば、アイロンで衣服に貼り付けて洗濯可能なシール20枚と、暗闇で光るシール10枚を無料で渡すということです。
県内の自治体で、この見守りシールを無料で配付するのは初めてだということです。
おととし全国で認知症やその疑いがあり、行方不明になった人は1万8709人にのぼり、この10年でほぼ倍増しています。
米子市長寿社会課の長門航志主事は「早く家族と情報共有ができ、速やかに迎えにいくことができる。このシールをつけた人を見かけた場合は声をかけ、読み取りに協力してもらえるとありがたい」と話していました。

「見守りシール」をつけた人を見つけた場合、どのような対応が求められるのでしょうか。
米子市では「見守りシール」をつけた人が同じ場所をうろうろしていたり、道に迷ったりしている様子を見かけた場合は、積極的に声をかけてほしいとしています。
その際、相手を驚かせないために、後ろからは声をかけないように注意してほしいとしています。
そして「見守りシール」に印刷されたQRコードを読み取るときには、相手を不安にさせないように顔を見てあいさつをしたあとに「シールを撮影したい」と声をかけた上で、スマートフォンを使って読み取りをしてほしいとしています。
認知症の人の家族や介護している人に対しては「見守りシール」の利用を申し込むときに提出する書類にその人の愛称を記入したり、具体的な症状などを細かく記入してほしいと呼びかけています。
こうした情報はQRコードを読み取ったスマートフォンに表示されるため、スムーズな対応につながるということです。
米子市長寿社会課の長門航志主事は「シールをつけている人を見かけたら、まずはあいさつからスタートすることを意識してほしい」と話しています。