県西部のJA系スーパー 全店舗が閉店

鳥取県西部のJA系スーパーのすべての店舗が、22日に閉店しました。

JA鳥取西部は、所有するスーパー「Aコープ」4店舗について、来店客や売り上げの回復が見込めないとして、すべて閉店することを決め、15日に2店舗が閉店したのに続き、22日、米子市郊外にある「Aコープ大高」と「Aコープよどえ」の2店舗が閉店しました。
このうち店舗の引き継ぎ先が見つかっていない「Aコープ大高」では、午前中から地元の人たちが商品を買い求めていました。
70代の女性は「新鮮な野菜などを買いに、1週間に2回は来ていたので残念です。これからはバスで米子の中心部まで行かないといけないので大変です」と話していました。
午後1時には従業員など20人が整列して31年の愛顧に感謝する横断幕を掲げ、JA鳥取西部の當別當正美専務が「長い間地域のみなさんに愛されてきましたが苦渋の選択で閉店します。早く引き継ぎの話を進めていきたい」とあいさつしました。
一方「Aコープよどえ」については、市内のスーパー「業務スーパー」を運営する「ナベシマエステート」に店舗を引き継ぎ、改装のうえ、ことし4月ごろに再び開店する見通しです。
大山町の70代の女性は「のんびりした雰囲気がよくて来ていたので閉店はさみしい。店の人たちには『お疲れ様』と言いたい」と話していました。
JA鳥取西部の中西広則組合長は「30年以上の長い間、足を運んでいただき感謝申し上げます」と述べました。
そのうえで引き継ぎ先が見つかっていない大高店について、中西組合長は「みなさんが利用できる場所にしたいので、できればコンビニエンスストアを誘致したい」と話していました。

県内で今年度中に一斉閉店するJA系スーパーは、合わせて17店舗で、22日の閉店で、県内で営業しているJA系スーパーは、ことし3月に閉店する琴浦町の「Aコープトピア店」のみとなりました。
今年度中に閉店する17店舗のうち、6店舗は引き継ぎ先がすでに決まっていて、4店舗が引き継ぎに向け交渉を続けています。
引き継ぎ先が決まった6店舗のうち、県東部の「トスクちづ店」と「トスク若桜店」それに県中部の「Aコープ赤碕店」の3店舗は、引き継ぎ先の企業がすでに新たな店舗として営業を始めています。
また県西部の「Aコープみぞくち」を米子市のスーパー「丸合」が「Aコープ名和」を大山町のスーパー「エムマート」が、そして「Aコープよどえ」を米子市の企業が「業務スーパー」として引き継ぐ予定です。
引き継ぎに向け今も交渉が続いているのは、県東部の「トスク用瀬店」と「トスク丹比店」県中部の「Aコープトピア店」県西部の「Aコープ大高店」の4店舗です。
このうち「Aコープトピア店」を倉吉市の東宝企業が、残りの3つの店舗をそれぞれのJAが複数の企業と交渉を進めています。
このほか「Aコープせきがね店」は承継されませんが、地元の住民たちで作る協議会が、官民連携で運営する新たなスーパーを、ことし3月31日にオープンさせる予定です。