ネット・SNSでのトラブル防止へ 冊子を県内の学校に配布

県教育委員会などで作る協議会は、子どもたちが、インターネットやSNSでのトラブルに巻き込まれるのを防ぐための注意点をまとめた冊子を制作し、県内の学校に配布して活用を呼びかけています。

この冊子は県教育委員会や専門家などで作る協議会が、毎年制作していて、小学校低学年・小学校高学年・中学生と高校生向けの3種類があります。
このうち小学校低学年向けの冊子では、学校で利用するタブレット端末を自宅に持ち帰る機会が増えていることを受けて、1日あたりの利用時間を決めるなどの家庭ごとにルールを作ることを推奨しています。
小学校高学年向けの冊子では、インターネット上には正しくない情報も多くあり、ほかの情報と比べたりその発信元を確認することが大切だと説明しています。
また中学生と高校生向けの冊子には、飲食店での迷惑行為をSNS上に投稿したケースなどを紹介し、こうした行為が多くの人に被害を与えることを指摘した上で、正しい利用方法について考えられるようになっています。
協議会では冊子を県内すべての児童と生徒に配布し、授業だけでなく家庭でもインターネットやSNSでのトラブルに巻き込まれるのを防ぐために活用してほしいとしています。
県教育委員会は「ネットによるトラブルについて学ぶだけではなく、どのように向き合うべきかなど考えるきっかけにしてほしい」としています。

県などが対策を強化している背景には、学校の授業でのタブレットの導入や、スマホの普及によって子どもたちがインターネットを利用する時間が増えていることがあります。
県が令和3年度に、小学5年生と中学2年生それに高校2年生、およそ1200人にインターネットの利用状況などについて調査しました。
それによりますと1日に2時間以上インターネットを利用していると答えた児童や生徒の割合は、小学5年生では29.8%、中学2年生では49.3%、高校2年生では49.7%となっています。
冊子の内容について詳しく見ていきます。
小学生4年生から6年生向けの冊子には、インターネットやSNSに投稿した文章や写真は世界中に公開され、こうした投稿は取り消せないことが多いといった、利用するときの注意点が説明されています。
また中学生と高校生向けの冊子には「あなたはインターネットに夢中になっていると感じていますか」など、オンラインゲームやSNSをはじめとするインターネットに依存していないかどうかをチェックできる8項目の質問が掲載されています。
このほか、おととし成人年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、ネットショッピングなどによる消費者トラブルに巻き込まれることを防ぐために、うまい話はうのみにしない、クーリングオフなど消費者の味方になるルールを今のうちに身につけるといった対処方法も紹介されています。
紹介した冊子は、県のホームページからも見ることができます。
県教育委員会は「ネットによるトラブルについて学ぶだけではなく、どのように向き合うべきかなど考えるきっかけにしてほしい」としています。