県内のタクシー料金値上げ 「普通車」初乗り運賃740円に

鳥取県内を走るタクシーの運賃が、燃料費の高騰による経営コストの増加などを背景に、25日から平均でおよそ16%引き上げられました。

運賃が値上げされたのは県内に25社あるすべてのタクシー会社です。
これまで初乗り運賃の上限は1.5キロメートルまで、▽小型車で640円、▽中型車で650円と定められていましたが、12月25日から「普通車」に統一されて740円に引き上げられました。
また、走行距離ごとの加算運賃も引き上げられ、これまで、▽小型車は333メートルごと、▽中型車は297メートルごとに90円加算されていたのに対し、この日からは279メートルごとに90円加算されます。
値上げを控えた24日、鳥取市の整備工場ではタクシーのメーターの設定を変更したり、運賃を知らせるステッカーを張り替えたり作業に追われていました。
今回の運賃の引き上げは、▼燃料費の高騰による経営コストの増加や、▼不足するドライバーの確保に向けた待遇の改善などが理由で、鳥取県内では2019年の消費税増税の対応を除くと、2015年以来、8年ぶりの値上げで、引き上げ率は平成に入ってからは最も高い平均およそ16パーセントとなっています。
「サービスタクシー」の松浦秀一郎社長は、「車両価格や燃料価格が上がり、最近の支出の多さは目を見張るものがある。運賃の改定によって、ドライバーの賃金上昇や経営環境の健全化、サービスの向上に努めていきたい」と話していました。

【利用者の反応は】
タクシー運賃の値上げについて、JR鳥取駅前では運賃の高さに驚く声が聞かれた一方、値上がりしても利用を続けるという声が聞かれました。
東京から観光で訪れた20代の女性は、「東京では初乗り運賃が500円ほどなので、740円と聞いてびっくりした」と話していました。
また、鳥取市内の90代の女性は「これまでもタクシーを使っていたが、買い物をするときは歩いて行こうと思う。すべてが値上がりしていて財布を開けるたびに物価高を感じる」と話していました。
週に1回、買い物の際にタクシーを利用するという鳥取市内の80代の女性は、「値段が上がってもタクシーはありがたい存在だ。知り合いに送迎を頼むこともあるが、都合が合わないときもあるので今後も利用したい」と話していました。