米子 認知症患者の家族が経験を共有 “名前やGPSを”

認知症の患者の家族が日ごろの悩みや経験を共有する会合が米子市で開かれ、ことし8月から認知症の妻の行方が分からなくなっている男性が「認知症の人には名前がわかるものやGPSが付いている機器を持たせることが必要だ」と呼びかけました。

認知症の人やその家族で作る団体「認知症の人と家族の会 鳥取県支部」では家族が日頃の悩みや経験を共有するために毎月1回、県内すべての市町村で「家族のつどい」という会合を開いています。
米子市の市立図書館で開かれた「家族のつどい」には10人が参加し、それぞれの介護の状況や心境を話したり、ほかの参加者からアドバイスを受けたりしていました。
12日は認知症を患っていてことし8月から行方がわからなくなっている米子市に住む荒川泰子さん(59)の夫の勉さんが会合に初めて参加しました。
このなかで勉さんは泰子さんが症状が進み、自分の名前や住所が言えなくなっていたことや、歩いて向かった方向が、勉さんの当初の予想と異なっていたことなどを説明しました。
その上で「認知症の人には必ず名前が分かるものや、GPSが付いている機器を持たせるようにして、どこにいるかがわかるようにしておかないといけない。このような集まりに参加し、私のような経験をしない人をたくさん作ることが私の仕事だと思っている」と訴えました。
「認知症の人と家族の会 鳥取県支部」の吉野立さんは「家族がまず認知症をよく知るためにいろんな人の経験を知ることはすごく効果がある。荒川さんをはじめ、初めて参加した方々の話を十分聞けましたし、いい会だったかなと。多くの認知症の人の家族にこうした場に参加して欲しい」と話していました。