認知症の行方不明者を捜索する訓練 地域住民が協力 南部町

認知症の行方不明者の増加が社会問題となる中、南部町では地域の住民たちが協力して行方不明者を捜索する訓練が行われました。

南部町の浅井地区などで行われた訓練には、住民や警察官などおよそ30人が参加しました。
はじめに防災無線で55歳の男性が行方不明になったことや、身長や服装などの特徴を放送で伝えました。
放送を受けて集まった住民たちは、数人ごとのグループに分かれ、エリアを分担して捜索にあたりました。
そして、およそ1時間後、参加した住民から公民館の捜索本部に発見の連絡が入り、かけつけた家族と警察官が認知症の男性役に声をかけ、保護するまでの手順を確認しました。
去年、全国で認知症やその疑いがあり行方不明になった人はのべ1万8700人あまりと、この10年でほぼ倍増しています。
県警察本部によりますと、県内では去年の行方不明者306人のうち60人が認知症だったということです。
参加した70代の男性は「訓練では建物のうしろを細かく歩いて見てまわった。事前に近所の認知症の人を知っておけば、何かあった時に声がかけやすいと思った」と話していました。
訓練を企画した南部町健康福祉課の保健師の青田亜紀子さんは「認知症は誰でもなりうるので、道に迷っているような人や、ふだん見かけない人がいたら勇気をもって声をかけてほしい」と話していました。