鳥取城兵糧攻め後の急死「リフィーディング症候群」と研究発表

安土桃山時代に、豊臣秀吉が行った鳥取城の兵糧攻めで、およそ100日間にわたって籠城した武士や農民が、落城後にかゆを食べたところ、急死した人が出たとする当時の記録について、県立博物館の研究者などは、栄養不足の人に急激に栄養を与えると起きる「リフィーディング症候群」にあたるとした研究結果を、アメリカの医学雑誌に発表しました。

1581年の鳥取城の戦いでは、武士や農民など千人以上が籠城する中、豊臣秀吉がおよそ100日間にわたる兵糧攻めを行い、落城したあと、秀吉がかゆを与えたところ、食べた人が急死したことが「信長公記」などに記されています。
県立博物館の山本隆一朗学芸員や東京の医師などでつくるグループは、記録から「かゆをたくさん食べたものはすぐに死んでしまったが、少し食べたものは問題なかった」などの記述を見つけ、「リフィーディング症候群」にあたるとした研究結果をアメリカの医学雑誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・メディカル・サイエンス」に発表しました。
「リフィーディング症候群」は、栄養不足の人に急激に栄養を与えるとショック症状が起き、最悪の場合死亡する病気です。
県立博物館の山本学芸員は「鳥取城の兵糧攻めについて、医学と歴史学という異なる学問分野が協力して解明できた意味は大きい」と話しています。