県内保育施設62%“正規職員の不足感がある” 県が実態調査

保育士不足の状況を調べようと、鳥取県が県内すべての保育施設などに対して初めて行った実態調査の結果がまとまり、回答があった施設の62%で、正規職員の不足感があると回答していたことが分かりました。

鳥取県は、ことし7月から9月にかけて、県内に290あるすべての保育施設に、人手不足を感じているか尋ねたり、県の名簿に登録されている65歳以下の保育士9030人全員に現在、保育現場で働いているか尋ねたりする大規模な実態調査を初めて行いました。
調査の結果がまとまり、保育施設に行った調査では、回答があった166施設のうち、62%にあたる103の施設が「正規職員の不足感がある」と回答していたことが分かりました。
また非正規職員についても、不足感があると答えた施設は56.7%に上りました。
一方、保育士に行った調査では、回答があったおよそ1300人のうち、資格を持ちながら現場から離れている「潜在保育士」が745人に上り、60人が保育施設への就職に向け、市町村に情報提供をしてもよいと回答したということです。
調査結果を受けて鳥取県は、市町村や保育所の支援センターに情報提供を行い、すでに就職に向けた案内を行ったということです。
鳥取県子育て王国課は「給与の改善や業務負担の見直しを課題に上げた人が多く、給与と責任のバランスが伴っていないことが保育士不足の背景にあるのではないか。潜在保育士と保育施設のマッチングを進めるとともに、保育士の負担を減らせる方策を考えていきたい」としています。