米子のバイオマス発電所火災“複合的原因で爆発に”調査チーム

米子市のバイオマス発電所で9月、爆発を伴った火災が起きたことを受けて、鳥取県などが立ち上げた調査チームは、爆発と火がついた原因はいずれも複数考えられ、複合的な原因で爆発に至ったとみられると、調査結果を報告しました。

中部電力などが出資する「米子バイオマス発電所」は、ことし5月から7月にかけて、煙や火が出て消防が3回出動したほか、9月9日には燃料の木質ペレットを搬入する施設で爆発を伴った火事が起き、現在、運転は停止されています。
事態を重くみた県は米子市などとともに、バイオマスに詳しい専門家や、消防の関係者などからなる調査チームを立ち上げて9月に現地調査を行い、2日、調査結果について、公立鳥取環境大学の田島正喜教授が平井知事に報告しました。
田島教授によりますと、原因の特定には至らなかったものの「爆発」に関しては木質ペレットが発酵して可燃性のガスが発生したか、砕けて粉末状になった木質ペレットが粉塵爆発を起こしたか、2つの原因が考えられるとしています。
また、爆発をもたらした「着火」については、施設内で発生した静電気や火花、木質ペレットを運ぶベルトコンベアの潤滑油、木質ペレットが発酵して発生した熱の3つの原因が考えられ、爆発と着火の原因を組み合わせた複合的な原因で爆発に至ったとみられるとしています。
報告を受けた平井知事は「考えられるすべての原因に対応するのが求められる安全対策だと思う。今回の調査結果をもとに、国に対してバイオマス発電所の安全基準づくりを働きかけていきたい」と述べました。