バイオマス発電所火災で米子市が安全確保まで運転停止申し入れ

米子市のバイオマス発電所で、ことし5月から9月にかけて相次いで火災が発生していることを受けて市は、この発電所の運営会社にいったん運転を停止するとともに、原因究明や再発防止策が実施されるまでは、発電所の運転を再開しないよう申し入れました。

9月9日、米子市大篠津町にある「米子バイオマス発電所」の燃料の木質ペレットを搬入する施設で、爆発を伴った火災が起きました。
去年4月に運転を開始したこの発電所では、ことし5月から7月にかけて、煙や火が出て消防が3回出動しています。
こうした事態を受けて米子市の伊木市長は12日、この発電所の足利司所長に対して、申し入れ書を手渡しました。
このなかで米子市は会社に対して、安全確保のために必要な場合を除いて、発電所の運転を停止するよう求めています。
その上で火災の原因究明を行い、再発防止策を実施し、周辺の住民に説明すること、安全が確保されるまでは運転を再開しないことなどを申し入れました。
申し入れのあと米子バイオマス発電所の足利司所長は、すでに運転停止の作業を始めているとした上で、今後、原因の究明と安全対策を講じ、地元の理解を得てから再稼働させたいとする考えを示しました。
足利所長は「地域のみなさんにご迷惑をおかけして申し訳ございません。地域の人たちが安心できないと再稼働できないと認識している」と話していました。

燃料の木質ペレットを、発電所に運び入れる施設で起きた9月9日の火災について、米子バイオマス発電所の足利司所長は記者団に対し、木質ペレットから生じた粉じんが原因だという見方を示しました。
粉砕した木を熱で圧縮させて作られる木質ペレットは、施設に運び入れるときの衝撃で、一部が削れるなどして粉じんになることがあるということです。
その上で足利所長は、この粉じんが何らかの形で引火し、爆発を引き起こした可能性が高いという見解を示しました。

【近くの住民から怒りの声】
米子バイオマス発電所の近くに住む人たちからは、発電所に対して怒りの声が上がりました。
発電所からおよそ100メートルに住む75歳の女性は、9月9日に火災が発生した当時、自宅近くの畑で農作業をしていて爆発音を聞いたということです。
この女性は「ことしに入ってからもう何回も消防車が出動している。いいかげんにしてほしいし許せない」と強い口調で話していました。
また発電所からおよそ400メートルほど離れた場所に住んでいる79歳の男性は「5月の火災についてホームページで謝罪したと言っているが、それでは不十分だと思う。地区の公民館に来て説明すべきだ」と発電所の対応を批判しました。
さらに「とにかく立ち退いてほしい。このような会社はいらない」と話していました。