鳥取砂丘を火星に見立て観測装置の性能調べる実証実験
火星の地表で、細かな砂が舞い上がる現象が起きる過程を研究している研究グループが、鳥取砂丘を火星に見立て、開発中の観測装置の性能を調べる実証実験を行いました。
鳥取砂丘にある宇宙分野の実証拠点施設「ルナテラス」で実験を行ったのは、福岡大学や千葉大学などでつくる研究グループです。
このグループは将来、人類が火星で活動する際、健康に悪影響を与えるおそれがあるとされる地表で細かな砂が舞い上がる「ダスト」と呼ばれる現象が起きる過程を解明するための観測機器の開発を進めています。
実験では重さおよそ1キロの箱形の観測機器に取り付けられたLEDから出した光を砂に当てて、その光が跳ね返る速度を調べていました。
研究グループでは実験で得られたデータを、今後詳しく分析するとともに、2030年ごろには実際に火星に向かうロケットに搭載できる機器の開発を目指したいとしています。
研究グループの福岡大学理学部の乙部直人助教は「これまでは海岸などで実験をしていたが、より正確なデータを取れる鳥取砂丘で実験ができよかった。2040年にNASAが火星に人を送り込もうとしているので、それまでに我々も火星の気象条件を計測できる機器の開発を進めたい」と話していました。