台風被害の鳥取市佐治町 中学生が共助交通のバスで通学

台風7号の記録的な大雨の影響で、道路の崩落が相次いだ鳥取市佐治町に住む中学生が、通学に利用している路線バスが休止していることから、25日朝、地元のNPO法人が運行する共助交通のバスで通学しました。

NPO法人が運行する共助交通のバス「さじ未来号」を利用したのは、鳥取市佐治町に住む中学生5人です。
5人は、鳥取市用瀬町の千代南中学校に路線バスで通学していましたが、台風7号による大雨の影響で道路の崩落などが相次ぎ、路線バスが休止していることから、夏休み明けの25日から共助交通のバスで通学を始めました。
午前6時半ごろに出発したバスは、5人をそれぞれ自宅近くで乗せたあと、中学校に向けて走りました。
そして7時ごろに中学校に到着すると、5人は校門で待つ先生にあいさつをして、さっそく教室に向かっていました。
中学1年生の生徒は「久しぶりの学校なので少し緊張しています。大雨の時は川の水が多くなり危ないと感じました。前よりも集中して学力を上げられるようにしたいです」と話していました。

鳥取市佐治町のNPO法人が運行する共助交通のバス「さじ未来号」は、台風7号による大雨の影響で1週間ほど運休したあと、23日から予約制で運行を再開していて、地元の住民が買い物や通院などに利用しています。
25日午前8時半ごろ、鳥取市佐治町加茂に住む山本幹夫さん(72)は、最寄りのスーパーに買い物に行くため、事前に予約していた共助交通のバスに乗り込みました。
山本さんは、ふだん路線バスを使ってスーパーで買い物をしていましたが、佐治町で路線バスの休止が続いていることから、23日に運行を再開した「さじ未来号」の利用を始めたということです。
2回目の利用になる山本さんは、20分あまりかけてスーパーに到着すると、おかずやヨーグルトなどの食料品を購入していました。
山本さんは「車を持っておらず、大雨以来、外に出ることがあまりできなかったので、早く再開をしてくれて本当にありがたい。また利用したいです」と話していました。
「さじ未来号」を運行するNPO法人さじ未来の小谷隆彦さんは「日頃から利用している人にとって早い運行が望ましいと思い、再開を決めました。皆さんが使いやすいように、できる限り予約に沿った運行をしていきたい」と話していました。