八頭町 住民が朝から土砂の片づけに追われる

八頭町福地では朝から住民が大雨の影響で山から流れ込んできた土砂の片づけに追われていました。

近くの山の土砂が自宅の前まで流れ込んできたという八頭町福地の安部公子さん(68)の自宅では、お盆休みで帰省していた親戚が土砂の撤去作業を手伝っています。
もともと安部さんの家に帰省していた親戚に加え、鳥取市内の別の家に帰省していた親戚も撤去作業を手伝うために16日朝から訪れ、子どもを含めて10人ほどで作業にあたっていました。
安部さんは、「お盆休みを楽しみにしていたのにこんなことになってしまったが別の親戚の家に帰省していた人たちも力仕事を手伝いたいと来てくれ本当にうれしい。水路や側溝にたまった泥を出してくれていて、若い力にとても助けられています」と話していました。

【八頭町で道路崩落 住宅被害も】
八頭町福地では、私都川が増水して川沿いを通る県道の一部が崩落し、通行止めとなっています。
県道が崩れた部分からは褐色の土があらわになっていました。
また、県道が崩れた現場近くにある住宅では家のそばの用水路の水があふれ出て、母屋の隣にある、タンスなどを保管していた蔵に土砂が流れ込んだり、池で飼っていた鯉が流されたりしたということです。
このほか1人暮らしの90代の女性の住宅では、勝手口のドアの下から泥水がしみ出してきたということで、16日朝から近所に住む数人が集まって、庭にたまっている泥水を取り除いていました。

【平井知事が視察】
平井知事は大雨の影響で集落が孤立している鳥取市佐治町や、川の水が田んぼにあふれ出た八頭町を視察しました。
このうち八頭町の私都川では、町内の被害の状況について説明を受けたり、川沿いの県道が長さおよそ110メートルにわたって崩れた現場を視察したりしました。
視察を終えた後、平井知事は記者団の取材に応じ、「生活の再建やライフラインを確保をしながら道路を通行可能にすることが第1の目標だ。さらに農業被害も調査し住民が上を向いて日常を取り戻せるよう速やかに補正予算を組んで総合的な復旧対策を進めていきたい」と述べました。

【八頭町にも災害救助法を適用】
鳥取県は台風7号による災害で多くの住民に被害が出ているおそれがあるとして、八頭町に災害救助法を適用することを決めました。
すでに鳥取市と三朝町への適用を決めています。
この適用で、避難所の設置費用などを国や県が負担することになります。