東京の宇宙ベンチャー企業 “鳥取発” 月面探査車開発へ

東京の宇宙ベンチャー企業が鳥取県内の中小企業と連携し、月面探査車の開発を目指していることが分かりました。
鳥取県が宇宙ビジネスの支援に力を入れるなか、多くの県内企業を巻き込んでいくきっかけになるのか注目されます。

鳥取県内の中小企業と連携し、月面探査車の開発を目指しているのは、東京・杉並区の宇宙ベンチャー企業、「たすく」です。
この企業の代表は、「月面探査レース」に参加した日本のチーム「HAKUTO」の元エンジニアで、過去に鳥取砂丘で月面探査車の走行実験を行ったことがあり、ベンチャー企業では、砂丘に新たに完成した実証実験の拠点施設「ルナテラス」で、来月(8月)にも走行実験を行う予定だということです。
実験で走らせる月面探査車は、プラスチック製のボディーの縦横およそ50センチの試作段階のもので、最高時速60キロを目標に、砂や石の上をどれくらいの速度まで問題なく走れるのか調べます。
構造に問題がなければ鳥取県内の企業に部品を発注し、来年秋ごろまでに「エンジニアリングモデル」と呼ばれる次の段階を目指したいとしています。
鳥取県が宇宙ビジネスの支援に力を入れるなか、多くの県内企業を巻き込んでいくきっかけになるのか注目されます。

小型バイク並みの最高時速60キロでの走行を目標に掲げる“鳥取発”の月面探査車。
月面探査車の走行速度をどこまで上げられるのかは、直径が3470キロ余りある月を効率よく探査するうえで重要なポイントになっていて、各社が開発競争にしのぎを削っています。
ただ、月面は起伏が激しい砂地で岩場もあることから、地球上と同じような速度で車を走らせることが難しいということで、ベンチャー企業では、砂丘の実証拠点で急な傾斜や凹凸のある月面を問題なく走れるのか確認し、場合によっては、安定感を高めるため6輪の車に変更し、実験することも検討しているということです。