井沢元晴の「鳥観図」倉吉で見つかる 県中部の原画など5点

鳥が見たように風景を描く「鳥観図」の作者として、戦後活躍した井沢元晴が、昭和50年代に鳥取県中部を描いた原画など5点が、倉吉市で見つかりました。

見つかったのは、倉吉市を拠点に戦後活躍した井沢元晴が描いた、鳥取県中部や島根県、それに奈良県の名所などの鳥観図の原画あわせて5点です。
このうち昭和57年の鳥取県中部を描いた原画は、縦35センチ・横1メートル83センチあり、当時の国鉄倉吉線や、国宝の「投入堂」で知られる三徳山などが描かれています。
また中海から宍道湖にかけてのエリアを描いた作品は、雄大なパノラマの中に、松江城などの名所が緻密に描き込まれています。
井沢は現地を歩いた記憶をもとに全国各地の鳥観図を描き「昭和の伊能忠敬」とも呼ばれました。
今回の原画は、倉吉市の建築士・生田昭夫さんが、かつて井沢の作品を印刷していた会社に調査を依頼したところ見つかったということです。
印刷会社の会長で、生前の井沢と仕事をした山本幸隆さんは「作品を地元の誇りとしてもう一度評価してもらい、その独特な世界を多くの人に見てほしい」と話していました。
生田さんは「まちの歴史を絵にしっかり切り取ったすごい作品です。多くの人に見てもらい、大切に保存してほしい」と話していました。