新型コロナ5類移行1か月 県内でさまざまな変化

新型コロナの感染症法上の位置づけが、5類に移行して8日で1か月です。
県内の医療現場や飲食店など、さまざまな変化が起きています。

米子市の飲食店は、売り上げが回復してきていて「外食を自粛していた世間の空気が変わった」と話しています。
米子市のイタリア料理店「マカロニ食堂」のことし1月の売り上げは、新型コロナの感染拡大前の半分程度にとどまっていました。
政府が新型コロナの感染症法上の位置づけを5類に移行する方針を決定してからは、利用客が徐々に増え始め、5月の売り上げは、感染拡大前のおよそ7割まで回復しました。
6月は、料理の食べ放題にお酒の飲み放題がついた、パーティー用のセットメニューの予約も増えているということです。
客足が回復してきたことを受けて、2月から新たにアルバイトの従業員を雇い、感染拡大前のように2人で調理や接客をしています。
また感染対策として店の換気は続ける一方で、客席のパーティションは外し、店の雰囲気も以前に近づいています。
利用客の50代の女性は「以前に比べて、外食にちゅうちょしなくなりました」と話していました。
また30代の女性は「パーティションがなくなってしゃべりやすくなりました。また来店したいです」と話していました。
店主の河村和人さんは「外食を自粛していた世間の空気は明らかに変わりました。これからは、客が行きたいと思う魅力あるお店にすることが重要なので、がんばりたい」と話しています。
河村さんは、新型コロナの感染が拡大した3年あまりの間、利用客が店のテーブルクロスに書いた「おいしかったです。また来ます」などのメッセージを励みに、1人で営業を続けてきました。
河村さんは「利用客のメッセージを見て本当にうれしくて涙が出て、がんばろうという気持ちになれました。これからもっと地域に愛される店になりたい」と話しています。

子どもたちの間では、5類移行後さまざまな感染症が広がっていて、医師は「コロナ禍での感染対策の徹底で、免疫を持たない子どもが増えた影響ではないか」と指摘しています。
鳥取市にある小児科の「おおたにこども・ファミリークリニック」では、5月からさまざまな感染症と診断される子どもが増えています。
クリニックによりますと前の週から6日までで「感染性胃腸炎」が46人「溶連菌」が19人「ヘルパンギーナ」が6人「咽頭結膜熱」が4人にのぼったということです。
こうした感染症の患者は、県全体でも増えています。
県によりますと、県内の定点医療機関から報告された患者数を、5類移行前の5月7日までの1週間と、直近の6月4日までの1週間とで比較したところ、1医療機関あたり「溶連菌」が1.74人から2.58人に「咽頭結膜熱」が0.42人から1.05人に「ヘルパンギーナ」が0.11人から0.84人にそれぞれ増えています。
クリニックの大谷英之医師は「コロナがはやっている間は、感染予防を徹底していて風邪にかかる機会も少なかったので、いろんな病気に対する免疫を持たない子どもが増えた影響が考えられる。5類移行後は感染対策が少し緩くなって、いろんな流行性の病気がはやりやすくなっているのではないか」と話していました。